睡眠の基礎知識

睡眠サイクルとは?90分固定ではない理由と眠りの整え方

睡眠サイクルは90分ぴったり固定ではなく、個人差や夜の時間帯によっても変わります。ノンレム睡眠3段階とレム睡眠の基本、90分の倍数に合わせて睡眠を削ることのリスク、実践的なチェック表を整理します。

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「90分の倍数で起きるとすっきりする」と聞いて、睡眠サイクルに合わせた起床時刻を試している方に向けた記事です。睡眠サイクルは90分ぴったり固定ではなく、長さには個人差があり夜の時間帯によっても変わります。周期の計算より起床時刻をそろえて必要な睡眠時間を確保することが、眠りを整える現実的な方法です。[1]

睡眠サイクルは目安:90分の倍数に合わせて睡眠を削らない

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最初に押さえたいのは、「90分」はあくまで平均的なイメージだという点です。周期の長さが毎回同じではない以上、「6時間(90分×4)で起きればすっきりする」とは言えません。7時間眠れる日にわざわざ6時間へ削ると、周期に合わせたつもりで単純に睡眠が足りなくなるおそれがあります。

眠りを考えるときは、量(何時間眠ったか)だけでなく、タイミング(何時に寝て何時に起きたか)と質(眠った感じ、日中の調子)をあわせて見ることが大切です。厚生労働省の睡眠ガイドでも、睡眠時間に加えて、目覚めたときの休養感を確認する考え方が示されています[2]。

睡眠サイクルの基本:ノンレム3段階とレム睡眠

睡眠は大きくノンレム睡眠とレム睡眠に分かれ、ノンレム睡眠はさらに3つの段階に分けられます[1]。

段階 特徴
ノンレム睡眠(第1段階) 覚醒から眠りへ移る浅い段階。短時間で次へ進む
ノンレム睡眠(第2段階) 眠りに入った状態。睡眠検査では脳の活動をもとに区別される
ノンレム睡眠(第3段階) 最も深い眠り。目が覚めにくい
レム睡眠 目が素早く動き、脳の活動が高まる。夢を見やすいとされる

夜の前半と後半で中身が変わる

一晩のなかで、これらの段階は同じ配分でくり返されるわけではありません。深いノンレム睡眠は夜の前半に多く、レム睡眠は夜の後半ほど長くなる傾向があります[1]。つまり、睡眠時間を短くすると、朝方に多いレム睡眠が削られやすいということでもあります。

「90分の倍数で起きればすっきり」が当てはまらない理由

90分の倍数で目覚ましをセットする方法が合わない理由は、主に3つあります。

  • 周期の長さに個人差があり、同じ人でも一晩のなかで長さが変わる
  • 寝つくまでの時間が日によって違い、計算の起点がずれる
  • 途中で目が覚めると、その後の流れも変わる

たとえば、23時に布団に入っても寝つくのが23時30分なら、計算はそこで30分ずれます。周期の計算にこだわるより、「起床時刻を固定し、眠れる時間を十分にとる」ほうが現実的です。

なお、必要な睡眠時間には個人差があります。厚生労働省は成人について6時間以上をひとつの目安としていますが[2]、これは目安の一つであり、誰でも6時間で足りるという意味ではありません。朝の疲れが続く場合は「朝起きても疲れが取れない理由」もあわせて確認してみてください。

眠りを整えるためのチェック表

周期そのものを自分で細かく操作することはできませんが、生活リズムを整えることで眠りのタイミングは安定しやすくなります。次の表で、できていない項目から1つずつ試してみましょう。

項目 見直しのポイント 具体例
起床時刻 平日と休日の差を小さくする 休日も平日から大きく起床時刻がずれないようにする
朝の光 起きたら明るい光を浴びる 起床後すぐにカーテンを開け、窓際で朝食をとる
寝る前の過ごし方 明るい画面や刺激を減らす 就寝1時間前から照明を落とし、スマホは寝室の外で充電する
飲酒・カフェイン 眠る直前の摂取を控える コーヒーは午後早めまでにし、寝酒を習慣にしない
休養感の確認 時間だけでなく朝の感覚を見る 1~2週間、就寝・起床時刻と朝の調子をメモする

環境づくりや習慣の具体的な工夫は「睡眠の質を上げる方法」で詳しく紹介しています。ただし、こうした生活の見直しは眠りを整える助けになるもので、不調の改善を保証するものではありません。

相談を考えたいサイン

次のような状態が続くときは、周期の計算や自己流の工夫で様子を見続けず、医療機関や睡眠外来に相談することを考えてください。

  • 十分に時間をとっても日中に強い眠気があり、仕事や家事に支障が出ている
  • 寝つけない、夜中に何度も目が覚めるといった状態が長く続いている
  • 家族から、いびきや眠っている間の呼吸の止まりを指摘された

眠気が強い日は、車の運転を控えてください。十分眠っているのに眠い場合の考え方は「寝ても眠い原因」でも整理しています。

関連する読みもの:睡眠日誌のつけ方|記録したい項目と続けるコツ・見方

よくある質問

6時間眠れていれば十分ですか?

人によります。6時間以上は目安のひとつですが[2]、それで足りるかどうかは日中の眠気や朝の休養感で判断します。6時間で日中に眠気が強いなら、もう少し時間をとれないか見直してみましょう。

睡眠アプリで「深い睡眠が少ない」と出ました。気にするべきですか?

一般向けの睡眠アプリやウェアラブル機器の多くは、体の動きや心拍などから睡眠の段階を推定します。結果を医療機関の検査と同じものとして扱うことはできません。1晩の数値に一喜一憂するより、数週間の傾向を見る程度にとどめ、気になる症状があれば数値ではなく症状をもとに相談するのがおすすめです。

まとめ

睡眠サイクルはノンレム睡眠3段階とレム睡眠のくり返しで、周期はおおむね80~100分程度の目安です。深い眠りは夜の前半、レム睡眠は後半に多く、周期の長さは一定ではありません。90分の倍数に合わせて睡眠を削るより、必要な時間を確保し、起床時刻と朝の光でリズムを整えることを優先しましょう。日中の強い眠気や生活への支障が続くときは、専門家に相談してください。

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参考文献

  1. NHLBI Sleep Phases and Stages:https://www.nhlbi.nih.gov/health/sleep/stages-of-sleep(確認日:2026年10月26日)
  2. 厚生労働省 睡眠対策・睡眠ガイド2023:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/suimin/index.html(確認日:2026年10月26日)
本記事は一般的な情報提供を目的としています。症状や治療については医療機関にご相談ください。