口を開けて寝るといびきが出やすいと聞き、口呼吸との関係が気になる方に向けた記事です。口呼吸はいびきの一因になりえますが、「口呼吸を直せばいびきが止まる」とは言い切れません。鼻づまりがあれば口呼吸はその結果であることも多く、複数の要因が重なっています。口テープは鼻が詰まっているときには避けるべきで、呼吸の停止や強い眠気があれば受診を優先しましょう。
口呼吸といびき:一因になりうるが原因の一つにすぎない

いびきは、眠っているあいだに空気の通り道が狭くなり、鼻・口・舌・のどのやわらかい組織が震えることで起こります。口が開いた状態で眠ると、こうした変化が起こりやすくなる場合があります。
ただし、「口呼吸を直せばいびきが止まる」とは言い切れません。口呼吸そのものが別の原因の結果であることも多いからです。たとえば鼻がつまっていれば、自然と口で息をするようになります。この場合、問題の出発点は鼻のほうにあります。口呼吸は「原因」でもあり「結果」でもありうる、と考えておくと整理しやすくなります。
口呼吸といびきが結びつく理由
口が開くと、のどの空間が変わりやすい
口を開けて仰向けに眠ると、下あごが下がり、舌がのどの奥へ落ち込みやすくなると考えられています。その分、空気の通り道が狭くなり、組織が振動しやすくなります。仰向けの姿勢はいびきと関係する要因の一つとして挙げられています[1]。
鼻づまりがあると、口呼吸に切り替わりやすい
風邪、アレルギー性鼻炎、鼻の構造などで鼻の通りが悪いと、眠っているあいだに口で呼吸する時間が長くなります。鼻づまりといびきの関係は、鼻づまりといびきの記事でくわしく扱っています。
いびきの背景に睡眠中の呼吸の問題があることも
大きないびきの背景に、睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりする閉塞性睡眠時無呼吸が隠れていることがあります[2]。口呼吸の有無だけでは、これがあるかどうかは判断できません。
朝の口の渇きは口呼吸だけのサインではない
朝起きて口やのどが乾いていると、口呼吸を疑う方が多いでしょう。ただ、口の渇きには、服用している薬の影響、部屋の乾燥、水分不足、飲酒など、ほかの要因も考えられます。口の渇きだけで原因を一つに決めることはできません。
薬を飲んでいる方は、渇きが気になっても自己判断で中止せず、処方した医師や薬剤師に相談してください。
今夜から見直せることとチェック表
次の表は、生活のなかで確認しやすい点をまとめたものです。当てはまる項目があっても、それが原因だと確定するものではありません。見直しの手がかりとして使ってください。
| 確認したいこと | 関係しうること | 試せること |
|---|---|---|
| 日中も鼻がつまりやすい | 鼻の通りの悪さ | 原因に合った治療を耳鼻科などで相談する |
| 寝る前にお酒を飲むことが多い | のどの筋肉がゆるみやすい | 就寝前の飲酒を控えてみる[1] |
| 仰向けで寝ることが多い | 舌やあごが下がりやすい | 横向きで眠る工夫をする[1] |
| 寝室が乾燥している | 口やのどの渇き | 加湿や寝具まわりの環境を整える |
| タバコを吸う | 鼻やのどの粘膜への影響 | 禁煙を検討する[1] |
呼吸の停止や強い眠気など受診のサインがない場合は、例えば、飲酒の有無や寝る姿勢、鼻づまりの状況を簡単にメモし、家族にいびきの様子を聞くと変化をつかみやすくなります。録音する場合は同室の人の同意を得て、受診時の説明に使う補助情報として扱います。
口テープや口のトレーニングについて
口をテープでふさいで眠る方法は、手軽な対策として紹介されることがあります。しかし、効果を示す根拠は限られており、鼻がつまっている状態では呼吸がしにくくなるおそれや、皮膚のかぶれなどのリスクも指摘されています[3]。鼻炎や鼻づまりがある方が自己判断で口をふさぐのは避けてください。詳しくは口テープの注意点の記事をご覧ください。
舌や口まわりのトレーニングだけで、いびきや口呼吸が治ると保証できるものではありません。気になる症状がある場合は、自己流の運動だけに頼って様子を見続けず、医療者に相談してください。
受診や相談を考えたい目安
次のような場合は、医療機関に相談することをおすすめします[1][2]。
- 眠っているあいだに呼吸が止まっている、あえぐような呼吸をしていると言われた
- 十分寝たつもりでも日中に強い眠気がある
- いびきや眠気で仕事や生活に支障が出ている
- 鼻づまりが長く続いている
日中に強い眠気があるときは、車の運転を控えてください。検査によって睡眠時無呼吸などがわかった場合、CPAPや医療機関で調整する口腔内装置などが医療者の判断で検討されます[2]。これらは市販のいびきグッズとは別のものです。
よくある質問
口が開いていなければ、いびきの心配はありませんか?
口を閉じていても、鼻やのどの状態によっていびきが起こることはあります。口の開き具合だけで判断せず、いびきの大きさや呼吸の様子、日中の眠気もあわせて確認しましょう。
子どものころから口呼吸です。大人になってから直せますか?
原因によって対応が異なります。鼻の病気やあごの形などが関わる場合は、自己流の対策では変わりにくいこともあります。気になる症状があれば、耳鼻科や睡眠を扱う医療機関に相談するとよいでしょう。
まとめ
口呼吸はいびきの一因になりえますが、鼻づまり、あごや口まわりの形、寝る姿勢、飲酒、睡眠中の呼吸の問題など、背景はさまざまです。朝の口の渇きも、薬や乾燥など別の要因で起こることがあります。口テープやトレーニングは治療を保証するものではなく、特に鼻がつまっているときの口テープは避けてください。呼吸の停止や強い眠気があるときは、早めに医療機関に相談しましょう。
この記事で紹介した商品

参考文献
- NHS Snoring:https://www.nhs.uk/symptoms/snoring/(確認日:2026年10月26日)
- 国立精神・神経医療研究センター 睡眠関連呼吸障害:https://www.ncnp.go.jp/nimh/sleep/sleep-medicine/breathing-disorders/index.html(確認日:2026年10月26日)
- Cleveland Clinic Mouth Taping:https://health.clevelandclinic.org/mouth-taping(確認日:2026年10月26日)



