鼻が詰まる時期にいびきが強くなると気になる方や、鼻づまりとのつながりを知りたい方に向けた記事です。鼻づまりは口呼吸を通じていびきに関わることがありますが、要因のひとつにすぎません。鼻の通りへの対処と合わせて、飲酒や寝る姿勢など他の要因も見直し、呼吸の停止や強い眠気があれば早めに相談することが大切です。
鼻づまりといびきの関係:鼻は「要因の一つ」として扱う

鼻づまりがいびきを強めている場合、鼻の通りを良くすることで楽になることがあります。一方で、体重、飲酒、あお向け寝、あごや舌の位置など、ほかの要因が重なっていれば、鼻が通ってもいびきが続くことがあります。NHSも、いびきに関わる要因として肥満、喫煙、飲酒、あお向けで寝ることなどを挙げています[1]。
そのため、「鼻を治せば解決する」と決めつけず、鼻づまりへの対処とあわせて、いびきの様子や日中の眠気も確認することが大切です。点鼻薬を自己判断で使い続けたり、口をテープでふさいだりする方法は避けましょう。
鼻づまりがいびきにつながる仕組み
鼻の通りが悪いと、吸い込むときに抵抗が大きくなり、自然と口が開きやすくなります。口が開くと下あごや舌が後ろに下がりやすく、のどの空間が狭くなります。狭くなった通り道を空気が通るとき、のどの軟組織が振動して音が出るのがいびきです。口呼吸といびきの関係は口呼吸といびきの記事でも詳しく扱っています。
のどが狭くなる程度が強いと、睡眠中に呼吸が弱まったり止まったりすることがあります。国立精神・神経医療研究センターは、睡眠中の呼吸の異常を睡眠関連呼吸障害として解説しており、代表的なものに閉塞性睡眠時無呼吸があります[2]。いびきの裏にこうした状態が隠れていることもあるため、音の大きさだけで判断しないことが大切です。
鼻づまりの主な原因
症状だけで原因を特定することはできませんが、考え方の目安として整理します。
| 原因 | よくみられる特徴の例 |
|---|---|
| アレルギー性鼻炎 | くしゃみ、鼻水、鼻や目のかゆみ。花粉の季節だけ、またはダニやハウスダスト、ペットなどで一年中起こる |
| 風邪などの感染、副鼻腔炎 | 一時的な鼻づまり。色のついた鼻水や顔の痛み、発熱を伴うことも |
| 鼻の構造 | 鼻中隔の曲がりや鼻ポリープなど。片側だけ長く詰まることがある |
| 点鼻薬の使いすぎ | 血管収縮剤入りの点鼻薬を続けて使い、かえって詰まりやすくなる |
| その他 | 空気の乾燥、喫煙、妊娠中の鼻づまりなど |
NHSはアレルギー性鼻炎について、花粉、ダニ、動物のフケなどが原因になりうること、症状によって抗ヒスタミン薬やステロイドの点鼻薬などが使われることを説明しています[3]。
寝る前にできる対処
鼻づまりを和らげる工夫
- 寝具をこまめに洗い、寝室のほこりを減らす(ダニ対策)
- 花粉の時期は、帰宅時に衣類や髪の花粉を落としてから寝室に入る
- ペットのアレルギーが疑われる場合は、寝室に入れない
- 空気が乾燥する季節は加湿する(加湿しすぎはカビやダニの原因になるため適度に)
いびき全体への工夫
- 寝る前の飲酒を控え、喫煙している場合は見直す[1]
- 横向きで寝てみる(一部の人には役立ちますが、無呼吸を否定するものではありません)
- 家族が気づいたいびきや呼吸の様子を聞く。録音する場合は同室の人の同意を得る
点鼻薬と口テープの注意
市販の血管収縮剤入り点鼻薬は即効性を感じやすい一方、続けて使うとかえって鼻づまりが続くことがあります。添付文書の使用期間を守り、使い続けたくなる場合は薬剤師や医師に相談しましょう。処方されている薬は自己判断でやめないでください。
また、鼻が詰まっている状態で口をテープでふさぐと、呼吸が苦しくなるおそれがあり、皮膚のかぶれも起こりえます。効果の根拠も十分とはいえません。詳しくは口テープの注意点をご覧ください。
医療機関に相談する目安
- いびきの途中で呼吸が止まる、あえぐ、むせるように起きると指摘された
- 日中の強い眠気や集中力の低下があり、生活に支障がある
- 鼻づまりが長く続く、片側だけ詰まる、においがわかりにくい、鼻血を繰り返す
- 市販薬が効かない、または点鼻薬をやめられない
鼻の症状は耳鼻咽喉科、呼吸停止や強い眠気は睡眠外来や呼吸器内科などが相談先になります。検査の結果、CPAP(持続陽圧呼吸療法)や調整型の口腔内装置が検討されることがありますが、これらは医療者の判断で使うもので、市販のいびき対策グッズとは別物です[2]。眠気が強いときは車の運転を控えましょう。無呼吸の基本は睡眠時無呼吸の基礎知識で解説しています。
よくある質問
鼻づまりが治れば、いびきは止まりますか?
鼻が主な要因であれば軽くなることがありますが、ほかの要因が重なっていれば続くこともあります。鼻の症状が落ち着いてもいびきが続く場合は、記録をとったうえで相談すると状況を伝えやすくなります。
鼻腔を広げるテープは使ってもいいですか?
鼻の入り口を広げる補助として合う人もいますが、鼻の奥の詰まりや無呼吸を治すものではありません。肌に合わない場合は使用をやめ、呼吸停止などの心配がある場合は先に医療機関で相談しましょう。
まとめ
鼻づまりは口呼吸を通していびきに関わることがありますが、原因の一つにすぎません。アレルギーや感染、鼻の構造など鼻づまりの背景を考えつつ、寝室環境や飲酒、寝る姿勢も見直しましょう。血管収縮剤入り点鼻薬の表示期間を超える使用や、鼻づまりがある状態での口テープは避け、呼吸停止や強い眠気、長引く鼻づまりがあれば医療機関に相談してください。
この記事で紹介した商品

参考文献
- NHS Snoring:https://www.nhs.uk/symptoms/snoring/(確認日:2026年10月26日)
- 国立精神・神経医療研究センター 睡眠関連呼吸障害:https://www.ncnp.go.jp/nimh/sleep/sleep-medicine/breathing-disorders/index.html(確認日:2026年10月26日)
- NHS Allergic rhinitis:https://www.nhs.uk/conditions/allergic-rhinitis/(確認日:2026年10月26日)



