家族にいびきや呼吸の停止を指摘された、日中の眠気が強いなどで、睡眠時無呼吸症候群が気になる方に向けた記事です。症状は手がかりになりますが、それだけで判断はできず、やせているから大丈夫とも言えません。確かめるには医療機関での検査が必要です。主なタイプと起こる理由、気づきたい症状、検査の流れ、治療を続けることの大切さを順に整理します。
睡眠時無呼吸症候群は症状だけでは判断できず、検査で確かめる

いびきがある、日中に眠いといった症状は手がかりになりますが、それだけで睡眠時無呼吸症候群かどうかは決められません。また、やせているから大丈夫、と体形だけで否定することもできません。気になる症状があるときは、医療機関で相談し、検査の必要性を医療者に判断してもらうことが確実な進め方です。
主なタイプ:閉塞性と中枢性
睡眠中の呼吸の異常は、主に次の2つのタイプに分けて説明されます[2]。
- 閉塞性睡眠時無呼吸:眠っている間にのどの空気の通り道が狭くなったりふさがったりして、呼吸が止まる・弱くなるタイプです。多くの場合いびきを伴います。
- 中枢性睡眠時無呼吸:空気の通り道ではなく、呼吸を調整する仕組みの側の問題で、呼吸しようとする動きそのものが弱まったり止まったりするタイプです。
閉塞性のほうがよく知られていますが、どちらのタイプか、あるいは両方が混ざっているかは検査を通じて判断されます。
なぜ起こるのか:体形だけでは決まらない
閉塞性の場合、首まわりの脂肪、舌やのどの組織、扁桃の大きさ、あごの形や大きさなど、空気の通り道の狭さに関わる要素が影響します。飲酒や仰向けで眠ることも、いびきに関係するものとして挙げられています[1]。体重の増加は要因のひとつですが、あごが小さいなど骨格の特徴によって、やせている人に起こることもあります。いびきが起こるしくみはいびきの原因でも詳しく解説しています。
気づきたい症状のチェック
次のような項目に当てはまるものがあれば、相談のきっかけになります[1][2]。当てはまる数で病気の有無が決まるわけではありません。
| 場面 | 気づきたいこと |
|---|---|
| 睡眠中(家族などからの指摘) | 大きないびき、呼吸が止まる、あえぐ・むせるように息をする |
| 起床時 | 十分寝たはずなのに疲れが残る、口やのどの乾き、頭が重い |
| 日中 | 会議や運転中、会話の途中でも眠くなる、集中しにくい |
| 夜間 | 何度も目が覚める、トイレに起きる回数が多い |
寝ても眠気が取れない理由はほかにもあるため、寝ても眠い原因もあわせて確認してください。
検査の流れと結果の見方
医療機関では、問診や診察で症状や生活の様子を確認したうえで、必要に応じて睡眠中の呼吸を調べる検査が行われます[2]。一般的な流れは次のとおりですが、どの検査をどの順で行うかは医療者が判断します。
- 睡眠外来、耳鼻咽喉科、呼吸器内科、またはかかりつけ医に相談する。家族からの指摘内容をメモして持参すると伝えやすくなります。
- 自宅で機器を装着して眠る簡易検査を行うことがあります。
- より詳しく調べる必要がある場合は、脳波や呼吸、血液中の酸素などを一晩記録する精密検査(終夜睡眠ポリグラフ検査)を行います。
- 結果と症状をあわせて、診断や治療方針が説明されます。
検査では睡眠中の呼吸や酸素の状態などを調べ、結果と症状をあわせて医療者が判断します。スマートフォンのアプリや市販の計測機器の数値を、医療機関の検査と同じものとして自己判断しないようにしましょう[3]。
治療の選択肢と続けることの大切さ
治療は、タイプや重症度、生活の状況に応じて医療者が選びます[2]。
- CPAP:鼻などに装着したマスクから空気を送り、睡眠中に空気の通り道がふさがらないようにする治療です。
- 口腔内装置:検査結果をもとに、歯科で一人ひとりに合わせて作るマウスピースです。あごや歯、かみ合わせに負担がかかる可能性があるため、定期的な確認が必要です。市販のいびき対策マウスピースとは別のものです。
- 生活面の見直し:体重管理、飲酒の調整、横向きで眠る工夫などが、治療とあわせて勧められることがあります[1]。生活の見直しだけで改善が保証されるわけではありません。
処方された治療は、医療者と効果や負担を確認しながら続けることが大切です。使いにくさや違和感があるときは自己判断でやめず、医療者に相談して調整してもらいましょう。マウスピースの違いはいびき用マウスピースの効果で整理しています。
受診や相談を急ぎたい目安
呼吸の停止やあえぎを指摘された、日中の強い眠気で仕事や生活に支障がある、といった場合は早めに相談してください[1]。眠気が強いときは車の運転を控えましょう。すでに通院中で薬を飲んでいる人は、自己判断で中断せずに主治医に伝えてください。
よくある質問
いびきをかかなければ心配ありませんか?
閉塞性ではいびきを伴うことが多いものの、中枢性のようにいびきが目立たないタイプもあります。いびきの有無だけで判断せず、日中の眠気など気になる症状があれば相談してください。
CPAPはずっと使い続けるものですか?
使用期間は、原因や体重の変化、症状の経過などによって異なり、医療者が定期的に評価します。自己判断でやめると症状が戻ることがあるため、続け方は通院先と相談しながら決めましょう。
まとめ
睡眠時無呼吸症候群には主に閉塞性と中枢性があり、いびきや呼吸の停止、強い日中の眠気が気づくきっかけになります。体形や症状だけでは判断できず、検査の種類や治療方針は医療者が決めます。アプリなどの数値で自己診断はせず、治療を始めたら無理なく続けられるよう相談しながら進めてください。
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参考文献
- NHS Snoring:https://www.nhs.uk/symptoms/snoring/(確認日:2026年10月26日)
- 国立精神・神経医療研究センター 睡眠関連呼吸障害:https://www.ncnp.go.jp/nimh/sleep/sleep-medicine/breathing-disorders/index.html(確認日:2026年10月26日)
- NHLBI Sleep Apnea Diagnosis:https://www.nhlbi.nih.gov/health/sleep-apnea/diagnosis(確認日:2026年10月26日)



