夫のいびきで毎晩眠れず、どうすればよいか悩んでいる方に向けた記事です。今夜はまず寝室を分ける、耳栓を使うなどして自分の睡眠を確保することを優先してください。そのうえで、呼吸が止まる、あえぐ、日中に強い眠気があるといったサインがあれば、グッズより医療機関への相談を優先します。本人への伝え方や、二人で続けられる生活の見直しも紹介します。
- 今夜は自分の休息を守る:寝室を分ける、耳栓を使うなどして、まず眠れる環境をつくる
- 呼吸の停止や強い眠気があれば受診を優先:グッズ選びより先に、医療機関で相談する
- 生活の見直しは補助と考える:飲酒や寝る姿勢の工夫は、二人で無理なく続けられる範囲で行う
今夜、旦那のいびきで眠れないときにできること
夜中にいびきの原因を突き止めようとしたり、本人と話し合おうとしたりしても、疲れた状態ではうまくいきにくいものです。今夜の目標は「自分がきちんと眠ること」に絞りましょう。睡眠不足が続くと、日中の集中力や気分にも影響が出やすくなります(睡眠不足が心身に与える影響)。
無理せず寝室や寝具を分ける

眠れない状態が続いているなら、今夜は寝室や布団を分けることを選択肢に入れてください。音の発生源から距離をとることで、音の負担を減らしやすくなるためです。
別室が難しい場合でも、ベッドや布団の位置を離すなど、体を休めやすい環境を工夫するといった工夫で負担を軽くできることがあります。分けて寝ることに罪悪感を持つ必要はありません。
ただし、別室で寝ることはパートナーの休息を守る手段であって、いびきそのものの治療ではありません。本人のいびきの状態を確認することは、後で別に考えていきましょう。
耳栓などで音の負担を減らす
同じ部屋で寝る場合は、耳栓を使うと音の負担を減らせます。いびきへの対処として、パートナーが耳栓を使うことは公的な健康情報でも挙げられている方法です[1]。
使う前には、目覚ましのアラームや子どもの泣き声、スマホの着信など、聞こえなければ困る音がないかを確認しておきましょう。必要に応じて、振動で知らせるアラームを併用する方法もあります。耳に違和感や痛みが出る場合は無理に使い続けないでください。
なお、耳栓は聞く側の負担を減らす道具で、本人のいびきの原因を解決するものではありません。また、眠れないからといって普段のいびきへの対処として、本人を何度も起こしたり、強く揺すったりする方法はおすすめしません。お互いの睡眠がさらに途切れ、関係もぎくしゃくしやすくなります。
本人が無理なく横向きで眠れるか相談する
仰向けで寝るといびきが大きくなりやすい人もおり、横向きで眠ることはいびきを減らす方法の一つとされています[1]。本人が嫌がらなければ、横向きで眠りやすい姿勢を一緒に考えてみるのもよいでしょう(横向き寝といびきの関係)。
ただし、横向きでいびきが静かになったとしても、呼吸が止まるなどのサインがあった場合に「もう大丈夫」と考えてよいわけではありません。音が小さくなることと、体の状態が問題ないことは別に考えてください。
| 今夜の対応 | 目的 | 注意点 |
|---|---|---|
| 寝室・寝具を分ける | 自分の休息を確保する | いびきの治療ではない |
| 耳栓を使う | 音の負担を減らす | アラームなど必要な音を確認する |
| 横向き寝を相談する | いびきが軽くなるか試す | 呼吸停止などのサインは別に確認する |
いびきが大きくなる背景を知る
いびきは、眠っている間に舌や口、喉、鼻といった空気の通り道が狭くなり、そこを通る空気で周りの組織が振動して起こる音です[1][2]。眠ると喉まわりの筋肉がゆるむため、起きているときより通り道が狭くなりやすくなります。
いびきが大きくなりやすい背景としては、仰向けで寝ている、体重が増えている、寝る前にお酒を飲んだ、鼻づまりがある、喫煙しているといったことが関係する場合があります[1]。普段は静かなのに飲んだ日だけうるさい、風邪の時期だけひどくなるなど、パターンが見えることもあるでしょう。
一方で、いびきがあるというだけで病気だと決めつけることはできません。反対に、「よくあることだから」と放っておいてよいとも限りません。次の節で挙げるサインがあるかどうかが、受診を考える一つの目安になります。
受診を考えたいサイン:グッズより医療機関へ

いびきに加えて次のような様子が見られるなら、市販のいびき対策グッズを試すより先に、医療機関に相談することをおすすめします。大きないびきとこうした症状は、睡眠時無呼吸のサインである可能性があるためです[2][3]。
- 大きないびきがほぼ毎晩のように繰り返される
- いびきが急に止まり、しばらくして大きな音とともに呼吸が再開する
- 寝ている間にあえぐ、むせるような様子がある
- 日中に強い眠気がある、会議中や運転中に眠くなるなど生活に支障が出ている
- しっかり寝ているはずなのに疲れが取れない様子が続く
ただし、症状の有無だけ、あるいはスマホで録音した音だけで、睡眠時無呼吸かどうかを判断することはできません。診断には、医療機関での睡眠検査などが必要になります[2]。相談先としては、まずかかりつけ医に話すか、睡眠を扱う医療機関を探すとよいでしょう。呼吸の異常が目立たなくても、いびきで本人や家族の生活に大きな支障が出ている場合は相談の対象です[1]。
検査の結果に応じて、CPAP(寝ている間に空気を送り込んで気道を保つ装置)や、医療用の口腔内装置などの治療を医療者が検討します[2][4]。どの方法が合うかは状態によって異なるため、自己判断で決めるものではありません。
また、本人が何らかの薬を飲んでいる場合でも、いびきが気になる場合は処方した医師や薬剤師に相談し、自己判断で中断したり量を変えたりしないでください。すでにいびきや睡眠の治療を受けている場合は、気になる変化を主治医に相談するのが確実です。
夫婦で続けられる見直しと伝え方

いびきのことを本人に伝えるときは、責める言い方ではなく「自分が眠れなくて困っている事実」と「気づいた様子」を、落ち着いた日中に具体的に伝えるのがおすすめです。本人は眠っているため、自分のいびきの大きさや呼吸の様子に気づいていないことが多いからです。
たとえば、次のような伝え方が考えられます(あくまで伝え方の一例です)。
「最近、夜中に何度も目が覚めて寝不足が続いているの。いびきが大きくて、ときどき息が止まっているように見えることもあって、ちょっと心配。一度、病院で相談してみない?」
「うるさい」とだけ伝えるより、自分の困りごとと心配している点を分けて話すほうが、本人も受け止めやすくなります。
受診を考える場合は、本人の同意を得たうえで、次のようなことをメモしておくと診察で伝えやすくなります。
- いびきが出る頻度や、呼吸が止まっているように見えた時間帯
- あえぐ、むせるといった様子の有無
- 日中の眠気や、だるさの様子
- 寝る前の飲酒や、鼻づまりがあったかどうか
本人が了承していれば、いびきを録音しておくのも補助的な情報になります。ただし、いびき録音アプリが表示する点数や数値は、診断に使えるものではありません。あくまで「こんな様子でした」と伝える材料と考えましょう。
生活面では、寝る前の飲酒を控える、鼻づまりが続くなら医療機関で相談する、過体重の場合は無理のない範囲で体重を見直す、といった工夫がいびきの軽減につながることがあります[1]。ただし体重の見直しは必要な人が取り組むもので、すべての人に当てはまるわけではありません。二人の睡眠環境全体を整えたい場合は、睡眠の質を上げる習慣も参考にしてください。
なお、先に挙げた受診のサインがある場合は、生活の見直しで何日か様子を見ると決めてしまわず、早めに相談することを考えてください。
よくある疑問
いびき対策の口テープや市販マウスピースを先に買うべき?
いびき対策として口テープや市販のマウスピースを試す人もいますが、誰にでも先に買うことをおすすめできるものではありません。特に、呼吸の停止や強い眠気など受診のサインがある場合は、グッズを試すより先に検査について相談することを優先してください。
また、医療機関で検査や診断を経て作る医療用の口腔内装置と、市販のマウスピースは別のものです[4]。検討する場合は、それぞれの注意点も確認しておきましょう(マウスピースの効果と注意点、口テープの注意点)。
別室で寝るのは解決にならない?
別室で寝ることは、パートナーが休息を確保するための選択肢として十分に意味があります。眠れない状態が続くより、まず自分が眠れる環境を整えるほうが、落ち着いて話し合う余裕も生まれます。
一方で、別室にすれば本人のいびきの状態がわかりにくくなる面もあります。自分の休息のための対策と、本人のいびきを評価・相談することは、分けて考えておくとよいでしょう。
まとめ:二人の睡眠を守り、原因に合った対応へ
旦那さんのいびきで眠れないときは、まず今夜の自分の休息を確保し、そのうえで受診が必要なサインがないかを確認することが大切です。
具体的には、寝室を分けたり耳栓を使ったりして今夜を乗り切り、呼吸が止まる、あえぐ、日中に強い眠気があるといったサインがないかを見てみましょう。気づいたことは日中に落ち着いて本人と共有し、サインがあれば医療機関で相談します。飲酒や寝る姿勢などの見直しは、二人で無理なく続けられる範囲で取り入れてください。
いびきの原因や必要な対応は人によって異なり、どの対策が合うかを事前に断定することはできません。今夜の休息、サインの確認、本人との共有、必要に応じた受診という順序で、二人の睡眠を少しずつ守っていきましょう。
この記事で紹介した商品

参考文献・確認した情報
- Snoring(NHS):https://www.nhs.uk/symptoms/snoring/(確認日:2026年10月26日)
- 睡眠関連呼吸障害(国立精神・神経医療研究センター):https://www.ncnp.go.jp/nimh/sleep/sleep-medicine/breathing-disorders/index.html(確認日:2026年10月26日)
- Sleep Apnea – Symptoms(NHLBI/NIH):https://www.nhlbi.nih.gov/health/sleep-apnea/symptoms(確認日:2026年10月26日)
- Sleep Apnea – Treatment(NHLBI/NIH):https://www.nhlbi.nih.gov/health/sleep-apnea/treatment(確認日:2026年10月26日)



