睡眠の基礎知識

カフェインは何時まで?睡眠への影響と飲み方を見直すポイント

夕方のコーヒーが気になる方へ。カフェインと眠りの関係、飲料表示の確認、量と飲む時刻の見直し方、相談したい状態を整理します。

飲み物の袋を確かめる女性とマグカップ
眠りラボの読みもの いびきと睡眠を、わかりやすく。

仕事の合間のコーヒーや食後のお茶は、多くの人にとって日常の習慣です。一方で、夜になかなか寝つけない日が続くと「午後に飲んだあの一杯が原因かもしれない」と気になる方もいるでしょう。「カフェインは何時までなら大丈夫か」という疑問は自然ですが、実は誰にでも当てはまる一つの時刻を示すことはできません。この記事では、カフェインと眠りの関係を「量」と「飲む時刻」の両面から整理し、自分に合った飲み方を見直す手順と、医療機関に相談したい状態をまとめます。

カフェインは量と飲む時刻を一緒に考える

飲んだものを手帳に記録する手元と湯飲み

カフェインには目を覚ます方向に働く作用があります。厚生労働省の睡眠ガイドでは、良い眠りのためにカフェインを摂る時刻と量の両方に注意を払うこと、そして夕方以降の摂取は控えることが勧められています[1]。つまり「何時まで」だけでも「何杯まで」だけでもなく、二つをあわせて考えることが基本です。

ただし、影響の出方には個人差があります。同じ量を同じ時刻に飲んでも、ぐっすり眠れる人もいれば、寝つきが悪くなる人もいます。体質や年齢、その日の体調、服用している薬などによって感じ方は変わります。そのため、記事やネット上で見かける「○時以降は飲まない」といった目安は出発点にはなっても、すべての人の安全を保証する線ではありません。

また、厚生労働省のカフェインに関するQ&Aでは、海外の機関が示した健康な成人の1日あたりの目安として400mgという値が紹介されています[2]。この数値は一般的な成人を想定した健康への影響に関する目安であり、「この量までなら眠りに影響しない」「誰にとっても安全」という意味ではありません。1日の総量が目安の範囲に収まっていても、寝る時間に近い時刻に飲めば眠りに響く可能性はあります。総量と時刻は別々の物差しとして確認しましょう。

コーヒー以外の飲み物も確認する

カフェインを含む飲み物はコーヒーだけではありません。紅茶や緑茶、いわゆるエナジードリンクなどの清涼飲料にも含まれています[2]。しかも含まれる量は、商品の種類、容器の大きさ、茶葉や豆の量、淹れ方などによって大きく変わります。「コーヒーは朝だけにしているのに眠れない」という場合、夕食時のお茶や、午後に飲んだ別の飲料が見落とされていることもあります。

飲み物 確認したいこと 注意点
コーヒー 1日の杯数、カップの大きさ、飲んだ時刻 店や淹れ方、容器の大きさで量が変わる
紅茶 飲む回数と時刻 種類や抽出時間によって差がある
緑茶など 食事と一緒に飲む杯数 何気なく飲む一杯も数に入れて考える
エナジードリンクなどの清涼飲料 パッケージのカフェイン表示 表示が100ml当たりか1本当たりかを確かめる

パッケージにカフェインの量が書かれている場合は、表示の単位に注意しましょう。「100ml当たり」の表示であれば、1本の容量に応じて実際に飲む量は変わります。「1本当たり」の表示であれば、そのまま1本分の量として考えられます。表示がない商品もあるため、量がはっきりしないものは「何を・いつ・どれくらい飲んだか」を記録しておくだけでも、振り返りに役立ちます。

飲み方を見直す3つの手順

カフェインとの付き合い方は、いきなりすべてをやめるよりも、現状を把握してから少しずつ調整すると、飲み方と自分の調子の変化を振り返りやすくなります。次の順番で進めてみてください。

  1. 飲んだ時刻と量を把握する
  2. 夕方の1杯を前へずらす、または量を減らす
  3. カフェインを含まない選択肢を表示で確認する

手順1:飲んだ時刻と量を把握する

まずは数日から1週間ほど、カフェインを含む飲み物を飲んだ時刻と杯数、商品名をメモします。あわせて、寝ついた時刻の感覚や夜中に目が覚めたか、朝の休養感も書いておくと、飲み方と眠りの関係が見えやすくなります。記録の付け方は睡眠日誌の記事も参考にしてください。

手順2:夕方の1杯を前へずらす、または量を減らす

記録で夕方以降の摂取が見つかったら、その1杯を早い時間帯へ移すか、カップを小さくするなど量を減らしてみます。ポイントは、一度に多くを変えすぎないことです。時刻と量を同時に大きく変えると、どの変化が眠りに影響したのか分からなくなります。一つ変えたら数日記録を続け、寝つきや朝の感覚に変化があるかを確かめましょう。

手順3:カフェインを含まない選択肢を表示で確認する

夕方以降に温かい飲み物が欲しいときは、カフェインを含まない飲み物を選ぶ方法もあります。その際は思い込みで判断せず、商品の表示を確かめることが大切です。なお、「デカフェ」や「カフェインレス」は、カフェインを取り除いたり減らしたりしたものを指し、必ずしもカフェインがまったく含まれないとは限りません[3]。気になる場合は表示や販売元の説明を確認してください。カフェイン以外の眠りの整え方は睡眠の質を高める記事でまとめています。

眠れない・強い眠気が続くとき

寝つけない、夜中に目が覚めるといった悩みは、カフェインだけが原因とは限りません。ストレスや生活リズムの乱れ、睡眠時間の不足、体の病気や心の不調など、さまざまな要因が関わります。カフェインを見直しても改善しない場合は、別の原因を考える必要があります。

また、次のような方は、一般成人向けの目安をそのまま当てはめないでください。

  • 子ども:体の大きさなどが異なるため、成人の量を流用しないでください[2]。
  • 妊娠中・授乳中の方:食品安全委員会の資料なども参考にしつつ、気になる点は医師や助産師に相談してください[3]。
  • 薬を服用している方:薬との組み合わせによって注意が必要な場合があります。医師や薬剤師に確認してください。

日中に強い眠気がある場合、カフェインで無理に乗り切ろうとするのは避けましょう。眠気を感じたまま車の運転や危険を伴う作業をすると、事故につながるおそれがあります。眠いときは運転を控え、安全な場所で休むことを優先してください。十分に眠っているつもりでも眠気が続く場合は寝ても眠い原因の記事も参考になります。夜勤や交代勤務で飲むタイミングが一般的な生活と異なる方は交代勤務と睡眠の記事をご覧ください。

寝つけない、途中で目が覚めるといった状態が続いて日中の生活に支障が出ている場合や、十分な睡眠をとっても強い眠気が続く場合は、自己判断で済ませず医療機関に相談してください。

よくある質問

何時以降に飲まなければ必ず大丈夫ですか?

誰にでも当てはまる「この時刻なら必ず大丈夫」という線はありません。夕方以降を控えることが基本とされていますが[1]、影響の出方には個人差があります。記録を付けて、自分の眠りと照らし合わせながら見直す方法があります。記録だけで原因を断定することはできません。

緑茶や紅茶もカフェインとして数えるべきですか?

はい。緑茶や紅茶にもカフェインは含まれています[2]。量は種類や淹れ方で変わるため、コーヒーと同じように飲んだ時刻と杯数を記録しておくと振り返りやすくなります。

デカフェなら眠りへの影響はまったくありませんか?

デカフェやカフェインレスはカフェインを除いたり減らしたりしたもので、ゼロとは限りません[3]。表示を確認し、気になる場合は飲む時刻や量にも注意してください。

まとめ

カフェインと眠りの関係は、「何時まで」という一つの答えでは決まりません。まず1日の総量、次に飲む時刻、そして自分の眠りや日中の調子という順番で振り返ると、見直すべき点が見えてきます。特別な商品を買いそろえる必要はなく、いつもの飲み方を記録して少しずつ調整するだけでも十分な第一歩です。それでも眠れない状態や強い眠気が続くときは、医療機関に相談しましょう。

参考文献

  1. 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(印刷30〜31頁):https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf#page=32(確認日:2026年10月28日)
  2. 厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A」:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html(確認日:2026年10月28日)
  3. 食品安全委員会「お母さんになるあなたと周りの人たちへ」:https://www.fsc.go.jp/okaasan.html(確認日:2026年10月28日)
本記事は一般的な情報提供を目的としています。症状や治療については医療機関にご相談ください。