布団に入ってもついスマホを見てしまい、寝つきや翌朝のだるさが気になる方に向けた記事です。寝る前のスマホは睡眠に影響しうる要因の一つですが、理由は画面の光だけでなく、頭が冴えることや寝る時刻が遅くなることも関わります。使えば必ず眠れなくなるわけではないため、自分に当てはまる点を見つけ、続けられる範囲で見直す方法を考えます。
なぜ寝る前のスマホが睡眠に影響しうるのか

影響の道すじは、大きく3つに分けると整理しやすくなります。
1. 夜間の明るい光と体内時計
眠りと目覚めのリズムは、起きている間にたまる眠気と、体内時計のはたらきのバランスで形づくられています。体内時計は光の影響を受けやすく、夜に明るい光を浴びると、眠りに向かう準備が後ろにずれる可能性があります。顔の近くで見るスマホの画面も、その光源のひとつです。[2]
2. 情報への没入による覚醒
動画の続き、SNSの通知、仕事の連絡などは、気持ちを高ぶらせたり考えごとを増やしたりします。画面の明るさを抑えていても、見ている内容によっては頭が休まりにくくなることがあります。
3. 就寝時刻の後ろ倒し
「あと1本だけ」と見続けるうちに寝る時刻が遅くなり、起きる時刻が決まっていれば、その分だけ睡眠時間が短くなります。
このように、ブルーライトだけを原因と決めつけることはできません。夜間の光を減らす取り組みについては研究が重ねられていますが、効果の現れ方は対象者によって異なり、誰にでも同じように当てはまるとはまだ言えない段階です。この研究は主に色付きレンズを使う介入を扱っており、スマホのナイトモードそのものの効果を保証する資料ではありません。[2]
寝る前のスマホを無理なく見直す4つのポイント
いきなり「寝る前はスマホ禁止」にすると、かえって続かないことがあります。負担の小さいところから試してみましょう。
画面を見ない時間を自分に合う範囲で置く
就寝前に「画面を見ない時間」をつくります。長さに決まった正解はないので、まずは寝る直前の短い時間など守れそうな範囲から始め、慣れてきたら少しずつ延ばす方法もあります。スマホを枕元ではなく、手の届かない場所で充電するのも一案です。
通知を減らす
夜の時間帯は通知をオフにしたり、集中モードを使ったりして、画面が光るきっかけを減らします。仕事の連絡は「確認するのは何時まで」と区切りを決めておくと、気持ちを切り替えやすくなります。
照明と画面を暗くする
部屋の照明を落とし、画面の明るさも下げます。ナイトモード(画面の色味を暖色寄りにする機能)は補助として使えますが、それだけで眠りやすくなるとは限りません。見る内容や使う時間とあわせて見直すことが大切です。
代わりの行動を決めておく
手持ちぶさたでスマホに手が伸びる場合は、紙の本を読む、軽くストレッチをする、翌日の準備をするなど、代わりにすることを先に決めておきましょう。考えごとや不安で眠れないと感じるときは、ストレスと睡眠の関係もあわせて参考にしてください。
1週間の振り返りで自分のパターンを知る
見直しの効果を確かめるには、短い記録が役立ちます。思い込みではなく、実際の傾向に気づけるからです。1週間ほど、次の4つを簡単にメモしてみましょう。
| 記録する項目 | 書き方 |
|---|---|
| 就床時刻 | 布団に入った時刻 |
| 起床時刻 | 起きた時刻 |
| スマホの使用終了 | スマホを置いた時刻 |
| 朝の休養感 | 「よく休めた」「ややだるい」など一言で |
記録を見返すと、「動画を見た日は寝る時刻が遅い」「通知を切った日は朝が楽」といったパターンが見えてくることがあります。うまくいかない日があっても、自分を責める必要はありません。気づいた点をひとつ変えてみる、という程度で十分です。就寝前以外の生活習慣も見直したい方は、睡眠の質を上げる方法もご覧ください。
相談を考える目安
スマホの使い方を見直しても、次のような状態が続く場合は、医療機関への相談を考えましょう。
- 寝つけない、夜中に何度も目が覚めるといった状態が続き、日中の強い眠気やだるさで生活に支障が出ている
- 気分の落ち込みや、物事への興味がわかない状態が続いている
- 大きないびきや、睡眠中に呼吸が止まっていることを家族などから指摘された
こうした場合、スマホ以外の要因が関わっている可能性もあります。生活習慣の見直しは、受診の代わりにはなりません。気になる症状があれば、かかりつけ医などに相談してください。
よくある質問
寝る前のスマホは完全にやめるべきですか?
必ずしも完全にやめる必要はありません。光、内容による覚醒、就寝時刻の遅れのどれが自分に当てはまるかを意識し、続けられる範囲で調整するのが現実的です。
ナイトモードやブルーライトカットを使えば大丈夫ですか?
補助にはなりえますが、効果は保証されていません。見る内容や使う時間が変わらなければ、頭が冴えたり寝る時刻が遅くなったりすることもあります。
スマホで音楽や音声を聞きながら寝るのはどうですか?
画面を見ずに済むなら、選択肢のひとつです。通知を切り、自動で止まるタイマーを設定しておくと、画面を確認するきっかけを減らせます。
この記事で紹介した商品

参考文献
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「健やかな眠りの意義」:https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-01-001(確認日:2026年10月27日)
- Shechter A, et al. Interventions to reduce short-wavelength (“blue”) light exposure at night and their effects on sleep: A systematic review and meta-analysis. SLEEP Advances. 2020;1(1):zpaa002. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10127364/(確認日:2026年10月27日)
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」:https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf(確認日:2026年10月27日)


